会社設立のメリット・デメリット

会社を設立して法人にした場合と個人の場合との違いを比較しながら見て行きます。
個人ではなく法人にした方が、税金・信用・融資など有利に働くことが多くございます。
反面デメリットもございますので、検討が必要です。
会社設立をする上でメリット・デメリットを確認していきます。

１．代表者の役員報酬を経費にできる
(個人の場合）
個人事業主に支払った給料は個人の時は経費になりません。単なる生活費や自分のお金として使ったというだけで経費にはなりません。
(会社の場合 )
個人と法人（会社）は別なので、個人に支払った給料は法人の経費として計上することができます。　
 

２．生命保険料を経費にできる
(個人の場合）
個人で生命保険に加入した場合、一定額（最高で12万円）しか経費になりません。
したがって、生命保険を活用して税金を安くすることには向いていません。
(会社の場合 )
会社の場合、保険内容によりますが、経費にできる金額が多くなり会社防衛のためや、節税のために活用できるメリットが大きくなります。

３．取引先や金融機関からの信用が得られやすい
(個人の場合）
個人より会社の方が、一般的に信用を得られやすくなっています。
(会社の場合 )
会社によっては、会社でないと取引をしないという法人もございます。そういった面から会社にされる方もいらっしゃいます。

４．設立後、２年間（一定の場合は１年間）消費税が免税になる
消費税は前々事業年度の課税売上が1,000万円を超えたら消費税がかかりますが、会社設立してから２年間（一定の場合は１年間）は消費税がかからないこととなります。（判定は専門家に相談してください）

こんなことも…
法人化による消費税ダブル免除効果
個人事業で開業した際に、2年間消費税の免除を適用した後に、会社設立し法人となることで、個人と法人合わせて最長で４年間消費税が免除されることとなります。
ある程度の事業規模となった段階で法人に移行すれば消費税のメリットは大きくなります。
ただし、消費税のためだけに法人することは本来の趣旨から逸れますので、信用面・融資面など多角的な検討が大切です！！

５．優秀な人材を確保しやすい
法人化により、社会的信用が高まりますので、優秀な人材の確保、従業員のモチベーション向上が期待されます。

１．会社設立費用がかかる
(個人の場合）
個人で開業しようとした場合には、開業届や許可届などを各役所に提出するだけで事業を営むことができるため、設立費用はかかりません。
(会社の場合 )
会社を作ると、一般的に株式会社の場合25万～35万円の設立費用がかかります。
個人に比べて初期費用が多くかかります。
 

２．赤字であっても税金がかかる
(個人の場合）
赤字であれば所得税はかかりません。また、住民税もほとんどかからないことがほとんどです。
(会社の場合 )
会社の場合、赤字であっても71,000円（県税21,000円、市民税（別府市の場合）50,000円）かかります。
これは、均等割（きんとうわり）といって、住民税は赤字であっても税金を課することになっているからです。
ちなみに赤字であれば法人税（個人でいう所得税に該当する税金）はかかりません。

３．社会保険が強制加入となる
(個人の場合）
個人の場合は、一定の事業所の場合で常時５人以上の従業員が働いているときは社会保険に強制加入となります。
逆に言えば、5人未満の場合、社会保険に加入しなくても良いということです。
(会社の場合 )
会社の場合、１人でも従業員がいれば社会保険に強制適用(強制加入)となります。
会社は従業員の社会保険料を半分負担しないといけませんので、その分経費が増えることとなります。

４．お金を自由に使えない
個人の場合は、自分のお金であるため、自由にお金を使うことは可能ですが、法人の場合、個人と法人は別人格のため、法人のお金を勝手に個人で使うことはできません。

５．運営や事務処理の負担が大きくなる
個人に比べ、法人の方が会計処理の厳密さが増す場合がありますので、運営や事務処理の負担が大きくなります。